スポーツに取り組む育成年代のアスリートにとって、トレーニング後のリカバリー(疲労回復)は非常に重要です。今回は効果的なリカバリー方法の1つである「交代浴」について、科学的根拠や実践方法を紹介していきます。
交代浴とは?
交代浴は、温かいお湯と冷たい水に交互に浸かることで、体をリフレッシュさせる方法です。このプロセスは、身体全体の血流を促進し、筋肉の疲労回復を助けるとされています。
血管の収縮、拡張の結果として血液及びリンパ液の流れを刺激し、浮腫、痛み、筋肉痛を軽減させることが報告されています。
お家で実践してみよう
一般家庭でバスタブを2つ用意することは難しいと考えられるため、シャワーを利用した方法を紹介します。
①コップ1杯(180-200ml)の水を飲む
②1分ほど10-15℃の冷水シャワーを浴びる
③37-38℃のお湯に30秒浸かる
④冷水シャワーを30秒浴びる
⑤③と④を10-12分間ほど実施する(回数にして約10回)
⑥冷水シャワーを1分浴びる
⑦コップ1杯の水を飲む
(引用:山田知生著, 「スタンフォード式疲れない体」, サンマーク出版, 2018)
また、ご家庭や施設でバスタブが2つある場合、8-15℃の冷水、38-42℃の温水を用意します。運動後に冷水浴を60-120秒、その直後に温水浴を120秒を合計15-20分繰り返すことでリカバリー効果が高まるとされています1)。
1) Christophe H, Inigo M. Recovery for Performance in Sport. Human Kinetics, 2013.
各研究報告によって温度差や時間差は多少異なりますが、大事なのは自身の体感温度や季節に応じて調節することです。ハードなトレーニングをしているアスリートは、日々のリカバリーがコンディションに大きく影響します。日々のリカバリー方法の1つとして交代浴を是非利用してみてください。
■ 編集者・監修情報
編集者:西川 潤
監修:酒井 リズ 智子